様々な視点から物事を見るためにはいろいろと知識や経験が必要で、なかなかそれは一朝一夕ではなしえないものです。
勉強しても、使いようのわからないものであればやる気は出ませんし、無意味に感じて適当で済ませてしまいます。
そんな中で、創作物からこの世で生きていくのに必要な知識や知見を得ることはよくあります。
今回は僕の世界への視線に影響を与えた「銀河英雄伝説」について紹介して、歴史のすばらしさについて記載してみたく思います。
銀河英雄伝説
本作の中身は政治、経済、軍事といったかなりとっつきにくいテーマを扱ったもので、かなり見るのに頭を使い時間がかかります。
アニメでは本伝100話以上、外伝も50話とかなりのボリュームで長編です。
話の中身はメインが政治形態についての葛藤といったものになるのですが、登場人物が非常に魅力的で、入り込めさえすれば割と抵抗なく見ることができます。
高校までで学んだ歴史では単に覚えるだけであったいろいろな時代の流れも本作では登場人物の目線で寄り添ってみることができ、「歴史を見る」ことの楽しさも感じられる内容となっています。
小説をアニメ化するにあたって、あいまいであった個所なども丁寧に肉付けされ、細かく描写されていることも見どころでしょう。
アニメと小説の比較をしてみるのもとても楽しめます。
本作の中身については長すぎて要約するのが難しいほどですが、見終わった後の世界観はかなり変化することでしょう。
歴史の見方と現実への応用
銀河英雄伝説は創作物であるものの、視聴者は常に歴史を見ているといった完全に時空を切り離された第三者の視点で見るように仕向ける意図をもって物語は展開されます。
現実の歴史を見る際も過去を(基本的に)自分の意思の介在しない第三者の視点としてみることになりますが本作はそこを常に要求します。
さらに言えば、現実よりもかなり先の時代設定であり、現実の国家や団体などは一切出てくることはなく、視聴者は完全に利害のない視点で見ることができます。
現実であれば、過去の戦争などの被害者や加害者といったことや政治、民族といったイデオロギー的な色眼鏡で物事を見てしまう傾向が出るものの、そのようなことが一切ないように制作されています。
この完全に第三者の視点で見るといったことは歴史を見て、そこから何か得ようとする際にはとても重要な要素であり、バイアスをかけないピュアな視点の訓練には本作は有効であります。
そういった点からも難しい政治や経済のトピックを理解することのきっかけにもなりえますし、より有益な見方の習得にもつなげていけます。
政治や経済を見るには過去の歴史は必須の知識であり、正しい理解を助けてくれます。
学校の勉強で覚えた年号や事件の名前などは何の役にもたたないこの世の中、必要なのは「誰が、何をして、どうなったのか」です。
中身のない知識などは無意味であり、本当に社会で生きていくうえで必要なのは過去の事象を正しく理解し、現在や未来の分析に活用することができる力です。
ドイツ帝国宰相オットー・フォン・ビスマルクも「愚者だけが自分の経験から学ぶと信じている。私はむしろ、最初から自分の誤りを避けるため、他人の経験から学ぶのを好む。 」といった言葉を残しています。
失敗を避けるためにも歴史を知ることは重要なのです。
本当の歴史の学び方を知ると歴史は最高の娯楽になる
学校で学ぶ歴史はとても退屈で嫌になるものでした。
「誰が、何年に、何をしたか」だけしか授業の内容にはなく、その時代背景や途中経過などをすっ飛ばしていたからだと銀河英雄伝説を見てから僕は気づきました。
一番面白いのは「どのようにして、何を考えて」歴史に残る事件が起こったのかといったことで学校では一番面白い部分をすべてそぎ落として結果だけを覚えるのです。
面白いわけがありません。
何か事件が起こるには必ず背景があり、その時代に生きた人間の思いがあって結果ができるのです。
いろいろな時代を見るとその時代によって考え方が全く違ったり、現代と変わらなかったりと様々な側面が見えてきます。
極端な例では古代では「為政者の気分」で戦争を始めたりといったこともよくありました。
その中で一番成果をなしたのがマケドニアのアレクサンドロス大王です。
ですが、現代ではそんなことは絶対に起こりえません。
なぜでしょう?
と考えてみると時代や体制の違いでここまで人間社会に差が出るかと楽しかったりします。
また、2000年からおじさんは変わらず「近頃の若者は・・・」と言っていたりするのも時代は変わらないなと思ってみたり、公然と不倫の仕方を説いてる恋愛指南書があったりと面白いものにたくさん出会えます。
これはただ「結果」だけを覚えて満足するだけでは出会うことのできない知識です。
歴史には面白いことがたくさんあって、その時代の息遣いを感じてこそ本質を見渡せるので
す。
それを教えてくれたのが銀河英雄伝説であり、僕の歴史観の礎になっています。
まとめ
たかが創作物と侮ることなく見てみると面白いものはたくさんあり、現実社会を生きていくうえでの助けになるものは多々あります。
まず初めに挙げた「銀河英雄伝説」以外のも考え方に良い影響を与えてくれた作品は多々あります。
そのような良い作品に出合えたことは幸せであり、それを求めるからこそいろいろと探してどん欲に生きていくのです。
人気記事