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米中貿易戦争でレアアース禁輸は効果がないと予想

 

中国の対米制裁

レアアース禁輸、もしくは輸出制限のカードは米中貿易戦争で中国が自身の痛みの少なく切れる最後のカードのように見えます。

米国債売りや元切り下げはチャイナショックのトラウマから簡単には切れないでしょうし、中国自身の資産を毀損するかなりハードな対応であり様々なニュースを見てもおそらくないと報じられています。

また、アップルなどの米企業を標的にして制裁を科すことも今後の想定として考えているアナリストもいるようですが、これは国内の雇用問題に発展する恐れがあり、国民の不満を抑えて現体制を維持したい中国としては裏目に出そうなカードだと僕は見ています。

第一そのようなことをした場合、外国からの対中投資の消極化や工場の撤退など米国以外もチャイナリスを感じて撤退を決めてしまうかもしれません。

そうなれば切れるカードはレアアースかと思いますが、これも相当中国は身を切る策になるのではないでしょうか。

 

米国のレアアース

レアアース自体は中国にしか埋蔵していないわけではなく、世界中にあり、米国にも鉱床はあります。

中国の埋蔵量が世界最大なのは事実ですが、あくまでも「安価」であるため中国のシェアが高いだけであり、米国もその気になれば自給自足できる力があります。

そもそも中国は日本に対して2010年の尖閣諸島問題の際にレアアースカードを切ってきましたが、日本は乗り越えることができています。

それから9年もたって米国が何もしていないはずはなく、必要があればすぐに自国もしくは友好国から調達するのではないでしょうか。

米国の場合、原油やヘリウムなどの重要資源も自国内に十分に埋蔵していながら、他国から輸入している実績があり、資源の安全保障には世界で一番力を入れている国です。

そのようなことを考えると中国がレアアースカードを切っても価格が一時的に上がるだけで特に問題にはならないと考えます。

 

中国への打撃

中国がもしレアアースカードを切ってきた場合、長期的に見ると一番苦しむのは中国であると考えます。

価格が上がってしまえば中国以外のレアアース鉱床も動くでしょうし。時間をかければ海底資源の採掘も採算が取れる状況になるかもしれません。

そうなってしまえば中国の優位性は失われ、「安価だけどリスクの高い調達先」として世界的に嫌厭される恐れがあります。

また、2010年の日本の場合は代替技術発展やリサイクル技術が発達した実績もあるので、長期的に見てレアアース自体の需要が下がるかもしれません。

短期的に米国を苦しませることができれば制裁として意味があるかもしれませんが、そこまでの影響も出ずに結果として中国自身がダメージを負うように感じます。

 

今後の予想

態勢の見方としてはG20で米中は貿易協議を一部合意して、米国が予告している3,000億ドル規模の追加関税は回避されると予想されているようですが、なかなかこれも楽観的かもしれません。

米国がほぼすべての商品に追加関税をかけると米国民の生活に打撃を与えますが、中国経済への影響はもっと深刻かと思います。

中国で作って米国に売っていた企業は拠点を東南アジア、ベトナム、インドなどに移す可能性が高いですし、そうなった場合、中国の雇用問題になります。

現在は比較的安定していて不満の少ない中国国民も経済的に締め上げられると現体制に不満を感じることになり、習主席の思惑からは外れそうです。

中国が自国内で完結する経済圏と雇用を早急に作ることができれば体制維持はできる可能性もありますが、長期戦に入る準備ができているのかは疑問です。

米国が短期的に押し倒すか、中国が粘って戦えるか貿易戦争のニュースはどう転ぶのか楽しみであり恐ろしいです。

 

米中貿易戦争【経済戦争】の状況整理と今後の予想

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