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米中貿易戦争【経済戦争】の状況整理と今後の予想

米国と中国が激しくやりあっている2019年5月現在の世界情勢ですが、超大国どうしが覇権をかけた猛烈なやり取りにマーケットは一喜一憂しています。

ですが、これは貿易や技術だけでなく、今後の世界のリーダーを決める戦いが今行われているように僕には見えます。

 

経済戦争の現状

 

お互いに関税をかけたり禁輸といった手に訴えたり日に日に状況は激しさを増している今回の経済戦争ですが、お互いに対話の姿勢はあるようで、決裂を回避しながら妥結点を探っているような危うい状況です。

ですが、米国からの攻撃は苛烈でファーウェイへのハイテク技術の禁輸は同社経営に長期的なダメージを与える可能性が高そうです。

なお、他社にも禁輸措置を広げる可能性が示唆されており、状況によってはさらに打撃範囲が広がりそうなムードが広がっています。

また、中国側も習近平国家主席がレアアース施設を訪問したり国民を鼓舞する言を発するなどの状況を見せており、米国へのレアアース禁輸のカードをちらつかせています。

現在のスケジュールでは6月末のG20で両国首脳の会談が予定されていますが、ここでもって一気に状況が打開できる可能性は低いとの見立てが大勢で、良くて米国が計画している追加関税の延期と交渉の継続くらいではないでしょうか。

ここでうまくいかない場合、中国はレアアース禁輸、米国は追加関税とハイテク部品の供給禁止企業の拡大などのカードを切ってきそうな勢いであり、予断は許さない状況となっています。

中国からのレアアース禁輸は現在供給と精製のほとんどを依存している米国にかなりのダメージになりそうで、代替するならオーストラリア、ブラジルから何とか輸入するか太平洋の下から採掘するかそれなりの対応が必要であると想定されます。

ですが、2012年に日本と中国の間でレアアースの供給が問題になったことに学んで中国依存を脱する手が用意できているのかもしれません。

対して中国への攻撃の中身は代替するのが非常に難しく、ハイテク部品は自国開発するには数年以上の時間がかかりそうです。

GoogleのAndroidOS使用に伴う問題は独自OSの開発で何とかなるかもしれませんが、半導体大手と英ARMの取引中止によってスマートフォンなどの中心部品のSoCやCPUの供給が短期間で途絶えると想定でき、こうなってしまった場合生産は途絶えてしまいます。

また、米国はiPhoneを含めた消費財にまで関税強化を検討していますが、これは米国を中心に中国産物の価格競争力が衰えることから中国国内の工場稼働率も低下しそうな施策です。

これは体制維持を求める中国としては失業率増加などでかなり大きな悩みの種になるのではないでしょうか。

このように状況判断をしてみると、米国側に残されているカードがかなり強力なものが多く、中国よりも有利なように見えます。

ただし、中国側に影響が出るにも時間がかかると思われ、その間に世界経済は明確にリセッション入りする可能性が高いと見ます。

 

現代の戦争

 

私見ですが、今回の経済戦争は現代における先進国どうしの新しい戦争の形なのだと考えています。

核兵器を筆頭に大量破壊兵器の製造ができ、保有している先進国どうしがまともに旧来の戦争の形である武力衝突をした場合、どう転んでも一方的に勝つことは不可能であり、致命的な損害を覚悟しなければいけません。

そのような前提に立つと、緊張が高まることすらお互いに嫌厭して表向きは友好的にせざる負えません。

ですが、現在の状況のような経済的な問題とすれば、貿易慣習の是正などの大義名分が立ちますし、「話し合い」の姿勢を見せることが自国の国内経済の維持のためにも不可欠になります。

そのためディールから降りて敵対的な姿勢を打ち出すことは自国内にも非常に悪影響を及ぼすため避けなければならないこととなります。

また、高度に情報化して国内外の情勢がすぐにわかる自由主義圏は特に影響が大きく、表立って危機をあおることすらはばかられる状況になっています。

日々の動きは淡々と伝えられてきますが、かなりマーケットに気を使った政策展開を米国は行っているように見えますし、中国も過度に反米感情を抱かせないように報道規制をしているようです。

また米国から見ると中国国内で反感が高まるようにピンポイントで経済に影響が出るところを攻めています。

これで失業率を高めて暴動、反体制につながるように仕向けた戦略を感じますし、中国も対応に苦慮しているようです。

どうなるのか今後に目が離せない展開です。

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